Kintsugi 1:傷は、強さに変わる。
- aguma928
- 2025年11月27日
- 読了時間: 2分
更新日:2025年12月21日
「傷は、強さに変わる」。
これは、金継ぎを通して私が大切にしている解釈のひとつ目です。
器の傷を金で継ぐということは、ただ元に戻すためではありません。
傷を隠すのではなく、むしろ“ここが物語の始まりだった”と示すように、その部分をより美しく整えていく行為です。
金をのせると、割れ目だった場所がひとつの線になり、器の印象そのものを決める大切な表情になります。
線は、隠したい失敗ではなく、「ここを通って、今の姿になった」という証になります。
傷跡は、乗り越えた証。
あなたが、どれだけ時間をかけて、どれだけ苦しい思いをしながら、どれだけ頑張ってきた結果なのかを、語ってくれる線なのです。
この“傷”は、目に見えるものだけではなく、人の心の深いところに刻まれる傷、後悔、トラウマ、私たちの中に確かに存在しているあらゆる傷のこと。
金継ぎの仕上げで金を撒き、最終段階で磨き上げる時、少しずつ金に光が宿るのを見ながら
「ここまでよくやってきたね」とこれまでの下積みを終えて、晴れ舞台に出る直前に
お化粧をしてあげるような気持ちになっています。
器がもう一度、堂々と前を向く準備を終える。
あなたの傷も、いつか強さの一部になります。
人生の中で何かが壊れたとき、それは終わりではなく、新しい始まりの機会。
その線が見えるのは、もう少し先かもしれないけれど、ちゃんと、その日は絶対に来るのです。




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